成長ホルモンというと子どもが成長するために必要なホルモンというイメージが強い人も多いでしょう。でも、実は成長ホルモンは大人になっても疲労の回復や新たな細胞を産み出すなど重要な役割を担っています。
そんな成長ホルモンを利用すれば、白髪の予防や改善への効果も期待できます。
そこで、今回は成長ホルモンと白髪の関係や成長ホルモンの分泌を増やす方法について調べてみました！
1. 白髪予防・改善には、成長ホルモンを増やすことが大切！
白髪には成長ホルモンと女性ホルモンの2つのホルモンが関係しているといわれています。女性は年齢とともにこれらのホルモンのバランスが崩れやすくなります。それでは、成長ホルモンにはどのような働きがあるのでしょうか？
成長ホルモンとは
成長ホルモンは、脳の視床下部脳下垂体という部分で多く分泌されるホルモンです。
この成長ホルモンの働きでよく知られているのはその名前の通り「子どもの成長を促す」という働きですが、そのほかにも筋肉や骨、髪や肌など「全身の細胞を健康な状態に保つための働き」があります。成長ホルモンが分泌されると、新たに細胞が作られることになります。その細胞と古い細胞が入れ替わることができれば、身体は傷ついてしまった部分を修復することができ、本来の働きを取り戻すことが可能になるのです。
そんな代謝に関わる成長ホルモンですが、髪の毛や頭皮の細胞の生まれ変わりにも関係しています。そのため、成長ホルモンの分泌量が多ければ、髪の毛を作り出す毛母細胞や髪の毛に色をつける色素細胞の働きが活発になり、すでにできてしまった白髪を改善することができるのです。
成長ホルモンは年齢とともに減少する
一般的に、成長ホルモンの分泌量は20代を境に徐々に減少し、30代後半にはピーク時の4分の1程度となり、50歳くらいでは8分の1程度にまで減少してしまうといわれています。
30代後半はちょうど白髪が増えはじめる人が増えてくる時期で、50歳くらいにはほとんどの人に白髪があります。成長ホルモンと白髪には密接な関係があるといえそうですね。
成長ホルモンの分泌量が加齢によって減少してしまうのは仕方がないことですが、この成長ホルモンの減少率を和らげることができれば白髪の予防や改善への効果は高まるでしょう。
2. 成長ホルモンの分泌を増やすカギは睡眠？
成長ホルモンの減少率を緩やかにするためには、ほかの成長ホルモンの分泌量を減少させる原因を取り除いてあげる必要があります。そんな成長ホルモンを減少させる原因の1つが『睡眠不足』だといわれています。
成長ホルモンは、眠りについてからおよそ3時間ほどで分泌量がピークになるという研究結果があります。睡眠が足りていないと必然的に成長ホルモンがしっかりと分泌する余裕がなくなり、ホルモンバランスを崩す原因となります。若くして白髪になる人の中には睡眠不足が原因で成長ホルモンの分泌量が極端に減少してしまっていることが原因であるとも考えられています。
眠らなくても元気だからと言って短い睡眠で過ごしていると、身体は元気でも白髪や肌のハリツヤには影響が出る可能性は高いですよ。
十分な睡眠時間と眠りの深さが大切！
それでは、どれくらいの時間睡眠をとるのがよいのでしょうか？
アメリカの大学が研究した結果によると、1日に必要な睡眠時間は6.5〜7.5時間だとされています。このくらいの睡眠時間であれば成長ホルモンもしっかりと分泌されるので時間的にはちょうど良い長さといえるでしょう。
では、ただたくさん寝れば良いのかというと、それもまた違います。研究では眠りの深さも重要だということが分かっているのです。
健康な状態では、眠りの深さには一定のリズムがあり、ノンレム睡眠という深い眠りとレム睡眠という浅い眠りを90分周期で繰り返していきます。そのリズムがなんらかの理由で崩れてしまうと、どれだけ寝てもレム睡眠の状態が続く「眠りが浅い」状態になってしまいます。
眠りが浅い人は長時間寝ても疲れがとれていないということが多いですが、これは成長ホルモンが分泌されていないことが原因。成長ホルモンは眠りが深いノンレム睡眠の方が多く分泌されますので、できるだけ深い眠りにつく必要があるのです。
質の良い睡眠を妨げる6つの行動パターン
成長ホルモンは、最悪睡眠時間が足りなくても深い眠りにつくことである程度まかなうことができると考えられています。
でも、そんな重要な睡眠の深さは、寝る前の何気ない行動で下がってしまうこともあります。次に睡眠の質を下げてしまう可能性がある6つの行動パターンを挙げてみましたので、自分はいくつ当てはまるか数えてみてください。
- 寝る前にカフェインの入った飲料を飲む（コーヒー、紅茶など）
- 寝る直前まで大量のアルコールを摂取するのが習慣だ
- 寝る直前に食事や入浴をすませる
- ストレスや悩みが多い
- 寝る直前までパソコンやスマートフォンを操作している
- 電気を消さないで寝る
さて、いかがでしたか？複数当てはまる人は、知らないうちに睡眠の質を下げてしまっていることになっている可能性が高いです。白髪が増えてきた実感がある人は、 1つでも改善することで白髪の改善にも効果が期待できるかもしれませんね。
3. 生活習慣と食生活を見直して成長ホルモンの分泌を促す
睡眠以外でも成長ホルモンの分泌を促す方法はいくつかあります。ここからは睡眠以外の方法について見ていきたいと思います。
タンパク質を摂取してアミノ酸を作り出そう!
まず1つ目は、食事です。食生活と白髪の関係については多くの文献でも取り扱われています。
成長ホルモンはアミノ酸で構成されているため、タンパク質をきちんと摂取することが大切だといわれています。
タンパク質の中でも特に白髪の予防や改善に効果が期待できるのが「アルギニン」というアミノ酸を含むタンパク質です。アルギニンは、レーズン、ナッツ、ごま、大豆、えびなどに豊富に含まれています。タンパク質については下記の関連記事の中でも紹介しています。記事中では手軽で美味しいレシピの紹介もありますのでぜひ参考にしてみてください。
断食が白髪予防に？
食事に関しては、一部で断食が良いという話もあります。これは胃から分泌されるホルモンであるペプチドホルモンのグレリンというホルモンに注目した説です。
グレリンは「お腹が空いた」と感じた時に分泌されるホルモンで食欲増進効果があります。このグレリンが分泌されるときには同時に成長ホルモンの分泌が促されるといわれています。
これはつまり、空腹状態を保っていれば成長ホルモンの分泌量が増えるということ。
そこで考え出されたのが「断食で空腹状態を長く保つことで成長ホルモンの分泌を促す」という方法です。ただ、急な断食や自分の体調を考えない無理な断食は身体に悪影響をもたらす可能性がありますので、体調管理をしながら行うことが大切です。
加圧トレーニングで成長ホルモンを増やす
生活習慣という点では、やはり運動の重要度は高いです。成長ホルモンの分泌量が最も多いのは睡眠時だというお話をしましたが、寝ていない時でも成長ホルモンの分泌を促すことは可能です。
その方法として注目されているのが加圧トレーニングです。加圧トレーニングは専用のベルトで腕や脚の付け根に圧力をかけた状態で行う運動で、圧をかけることで短時間の運動で簡単に筋力をつけることができます。
主な効果としては「ダイエット」「血行促進」「回復量アップ」「筋力アップ」「アンチエイジング」などが挙げられます。特にアンチエイジングに関しては「加圧トレーニングを行うことで通常の290倍の絵視聴ホルモンが分泌された」という研究結果もあります。
加圧トレーニングで成長ホルモンの分泌量がそこまで増えるのであれば、白髪の予防や改善にも効果が期待できそうですね。
4. 成長ホルモンの分泌を増やして白髪予防と改善を進めよう！
成長ホルモンは細胞の代謝に関わるため、若々しい見た目を保つためにとても大切なもの。そんな成長ホルモンの分泌量は加齢によって減少してしまうため、それに伴って白髪ができたり肌のハリが失われたりと年齢を感じさせる見た目になってしまいます。
ですが、睡眠や食事、運動など、日常生活に密着した行動で分泌量の減少スピードを緩やかにしたり、分泌量を回復・増加させたりということも可能です。特に睡眠は成長ホルモンと密接に関係していますので、質の良い睡眠を取れるように日頃から時間の使い方などにも気を配るようにしましょう。
成長ホルモンは頭皮の細胞に働きかけるだけでなく全身の細胞に働きかけてくれます。そのため、白髪だけでなくスタイルやお肌のハリなど、身体全体を若々しい雰囲気にしてくれますよ。日頃の生活を見直してみましょう！
